
張り込み現場で不審な者たちと遭遇した
正確には張り込み現場に他の者達が先に張り込んでいたんだ(男の1人がビデオカメラを持っていたので直感的に同業者と判断)
それらは後から到着した私達の目的に気付いてはいないようなので、その後方からバレないように張り込みを開始した
ともに路駐した車両からの監視だった
1時間経過
私達が狙う対象者はまだ動かない
先に張り込んでいた者達も動かないので対象に動きがないのだろう
しかしコイツら一体何を狙ってるんだろう?
位置と角度から察するに私達と監視してるビルは同じか隣
まさか対象が同じってことはないだろうな、、、
万が一そうだとしたら誰が依頼者だろう?などと同乗の相棒と話をしながら時間は過ぎた
そして更に1時間経過
どうやら前方の先に張り込んでいた者達が後ろの私達を気にし始めたのが分かった
明らかに運転者がバックミラーを見る頻度が上がったし、後部座席の者が後の物を取る振りをしてこちらを伺ってる様子が見てとれた
お互いに大変だな、邪魔はしないよ、だからこっちの邪魔もすんなよな、、、などと届かない会話をしながら私達はビルを凝視し続けた
そしてまた更に1時間が経過した
依頼者さんとの契約で本日の張り込みは残り30分となっていた
すると前の車内で動きがあった
車内からビデオでこちらを撮影したのが見てとれたので、こちらも撮するようにと相棒に言った(チッ仕事中にふざけた真似しやがって)
すると後部座席の男が車を降りてこちらに向かって来た
おいおいお前らが先に仕掛けたんだろ、ふざけんなよ、、、私達は軽く罵った
男がコンコンと窓を叩いたので窓を開けた
ここで何をされてるのですか?
はぁ?何?邪魔をしないでくれるか!?
駐禁ですよ、ここ
はぁ?お互い様だろ?うんんん、えっ??
男は警察手帳を取り出した
私達が調査の旨を伝えると男は「ご苦労様です」と口にはしたが移動するよう強い口調で指示をした
どうやら近所の住人から苦情が入ったらしい
つうか彼らの任務が何だったのか気になる、だけど調査の秘密厳守は互いのルール、聞くだけヤボっもんですからここはプロに徹し聞きません
そちらはどうするのかと問うと、今日は引き上げると警察手帳の男は言った
私達はあと30分の旨を伝えた
30分以内の念を押され渋々だが男はそれを承諾してくれた
彼らの車はその後直ぐに消え、私達は30分後にその場から消えた(その日収穫は得られなかった)
30分の間にパトカーが2度ばかり巡回してきたが注意を受けることはなかった(どうやら話は通ってるらしかった)
で、私達は後日の調査でその場での目的を達したが、その際に彼らや彼らとおぼしき警察車両と遭遇することはなかった
きっと近くのビルの一角を借りて内偵を行っていたのであろうと推察した
監視場所の確保、さすが国家権力だ、私達ではそうは簡単にはいかないからな...と羨ましく思ったのでした
この仕事してると色んな事に遭遇しますな。。。
梟 拝