彼が辞めて以来だから2年ぶりだろうか
年が近かったので当時は結構一緒に呑んで歩いたりもした仲だ
久しぶりに飯でも一緒にどうですか?と誘われた
懐かしさもあり私はその誘いを快諾した
と同時に、何故だろう?と疑問がちょっと頭をよぎった
しかし何でも勘ぐるのは良くない癖だと自分を戒めつつ待ち合わせ場所に向かった
その場所に彼は笑顔で現れた
おぉ久しぶりと私は声を掛けつつ
身なりは悪くない
どうやらお金の相談では無いな・・・うぅ悪い癖だ、まだ何かしら勘ぐってる
・・・・猛省した
ちなみに私の言う「身なりは悪くない」とは
ブランド物を着飾ったり隙の無いファンションを意味するのではない
むしろお金の相談に来る者に限って
ブランド品で身を固めていることが大半なのだ
(その場合、残念ながら頼られても貸せるお金など無いので皆お断りしてる)
私の言う悪くない身なりとは
背伸びすることなく周囲から浮かない普通の服装という意味だ
では、話しを戻そう
・・・・店に入りお酒を飲みながら料理を待つ私たち
とりとめのない話で場は和んだ
すると突然彼が相談があると言い出した
えっ、何?と
ちょっと驚きつつも、やっぱりかの気持ちが半分あった
冷静を装ったが顔は幾分険しくなったろう
すると彼
今度結婚するので結婚式に出席して欲しい・・・とのお願いだった
但し元の職場とかでは後々ややこしくなるので
友人ということで頼まれた
な~んだ全然問題なし
喜んで出席させてもらうよ、と即答した
それからお互い2年の歳月をものともせず打ち解けた
めでたい!めでたい!
飲もう!飲もう!で夜は濃くなった
色んな話しをした
何やら一人っ子な彼は私を兄のように慕ってくれていたらしい
それを聞いただけで、今日の飲み代は俺に任せろ!と言うつもりとなった
が、問題はそこから起こった
酔いに任せて私は相手の写真を見せろと迫った
彼はスマホの中の何枚もの画像を見せてくれた
・・・・・おおおお、すげぇ~別嬪さん
そこいらの芸能人は足元にも及ばないだろう
マジか?マジ!?
すげ~大金星だ~と大騒ぎ(羨ましくヤケッパチの様相有り)
馴れ初めを聞くうちに、ふと疑問湧く
それって工作の心理戦みたいなだ~!?と私
彼、はい大変参考にさせてもらいました、とヌケヌケと言うではないか
私、ならば今日はお前の払いだ~とキレ気味に大笑い
2人のささやかな馬鹿騒ぎは続いた
・・・・宴も終わり
最初からそのつもりでしたと彼が精算した
ちょっと気は引けたが遠慮なくご馳走になった
その権利は十二分にあると信じて疑わなかったのも半分はある
で、今度は凄く別嬪な彼女を交えて3人で飲む約束をして別れた
嬉しい話、でも何だかちょっと悔しい気持ちも・・・な~んてね
見上げた空には先ほど上がった雨をまとい葉桜が輝いていた
2人が幸せになる予感がした
梟 拝
追伸・・・
あくまで工作の心理戦が役立てたのは突破口の1つであって
彼の誠実さと一途な思いが彼女の心を射止めた最大要因であることは疑う余地は無い
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