去年の今頃、情報収集の一環である人物の行動を追った

依頼者から頂いた基本情報は住所と写真10枚・・

その住所地は一軒家で対象者は家族と同居だが似通った年齢や背格好の人物はいないので特定は容易・・と聞いていた

張り込んだ日の夕方に対象者らしき人物がやっと家を出た

髪型、服装、背格好といい対象者に違いないと思われた

何故このようなあいまいな判断になるかというと今の時期の夕方は日没後なので周囲も暗く顔を確認できないからだ

対象者は徒歩でバス停方面に向かう

スタッフが徒歩でそれを追う

私は対象者がタクシーや何者かの車にピックアップされる可能性に備え、大通りを車で徐行しながらその後を追う形をとる

対象者がバス停に立ち止まる

スタッフもバス停に並ぶ

私はバス停前約100mの路上でハザードをつけて待機に入る

するとバス停のスタッフから電話が入る

ピピピ・ピピピ・・・プチ

どうやらバスに乗りそうだね(私)

ですね、でもちょっと問題があるんです(スタッフ)

何よ?

実は顔が違うんですけど!?

えっ!どういうこと?

どう見ても広末涼子じゃないんです!

(解説)
実は対象者は芸能人の広末涼子にそっくりだと言うふれこみだった
もらった写真10枚も誰が見ても広末涼子だった・・

まじかよ!?人違いか・・

いやでもあの家の住人は父母娘の3人暮らしで監視も朝からしてるし人の出入は父母のみだし、その娘が対象者しかありえないし間違うはずは無い・・

ほんとに違う?

はい違います

絶対?

絶対です・・

う~ん、でも外出と同時に家の明かりは全て消えたし玄関の鍵もその娘が掛けてたし疑う余地は無い・・

よし、とりあえずそのまま追跡体制で待機してよ!

了解・・という返事を聞いて電話を切った

まあ実際のところ情報写真と実物が似通わない事は多々あるし個人個人の主観もあるしスタッフの思い込みもあるので私も見てみようと考え車をバス停に停めた・・

時刻表を見る振りして私は対象者の姿を目で探した

居ない!
どこにも居ない!

私の不安げな目の動きを悟ったのかスタッフが目で合図してくれる・・ほら、目の前の人だよと

それを言われても納得できない
10枚の写真がグルグル脳裏を駆け巡る

やっぱり違う!

私は時刻表を携帯電話のカメラで撮る振りをして彼女の画像をとった

そして車に戻るなり
写メールとして依頼者に速攻で送った

依頼者からの返事を待つ・・

ポロポロン・・来た!
慌ててメールを開く、そして読む・・

「彼女に間違いありません」

まじか・・よ

私はその旨をスタッフに連絡した

そしてその日の情報収集は無事終了した

<検証>
なぜこのような事態が起きのたか・・
①対象者が広末涼子を意識した表情のみで写真に写る傾向あり
②依頼者もその似せた仕草がほんとの姿と思い込んでる

この2点が原因だと思われる

①は確かにスタッフが
追跡中に少し似た表情を見たといったことで理解でした
(あくびであごを引いて目を大きく見開いたら少し似てたらしい)

そういえば、あごを引いた上目線の写真ばかりだ・・
それにしても写真のたびにあの表情を作れる彼女に脱帽・・

②は恋は盲目とは良く言ったもので
ほんの些細な仕草に惹かれてしまう傾向は誰にでもあるが依頼者は対象者の意識した表情や仕草に惚てしまい、それが全てになってるからそれ以外の表情も認識はしても彼女のほんとの姿は写真のときの彼女となってる模様・・

だからそんなベストショット!?の写真を当然のごとく提供してくれた

よって我々が認識できなかったと思われる

ほんとは依頼者に一言いいたかったけど、ここまで違うと誹謗中傷にしかならないので何も言いませんでした

いや言えませんでした・・

結局このお話は誰も悪くありません

悪いとしたら写真を信じた私達でしょう

あ~でも自宅から&日没してて良かった・・
そうでなかったら、この情報収集に成功は無かったでしょう

だって顔がよく見えなかったから成功したんです

見えてたら追跡していませんから何の情報も得ることなく無駄に終っていたでしょう

長年やってると、こんなこともあるのです・・


梟 拝
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