富士山に願掛け
新幹線の中で偶然にも昔の依頼者さんと一緒になった

席は通路を挟んだお隣り

最初に気付いたのは彼女

私は少し驚いたが互いに目礼で何事も無かったように着座した

彼女は旦那さんらしき男性とその男性をパパと呼ぶお子さんと一緒だった

幸せそうな家族の空間だ

旦那さんは私の知らない人だった

1年越しとなったが略奪は成功した、何故???

まぁ結構な月日も流れてるし、人生色々、そこを詮索するのは野暮ってものと即座にスルーした

色々あったのだろうな、今が幸せそうで良かった、、、って感じ

しばらくして私が食べ終わった弁当箱を捨てに席を立つと彼女がトイレに行くフリをして続いていた

デッキで互いに驚いた旨と再会を懐かしみ少し会話を交わした

やはり色々とあったらしい

最後に今が幸せそうで良かった旨を告げ私は先に席に戻った

窓の外に富士山が見えた

彼女の街を訪ねる際に何度こうして富士山を見たことだろう、そんな記憶が蘇る

綺麗に見えた日は工作が上手くいきそうな予感がしたのとその願掛けをした

そんな予感が的中した帰りには富士を見ながら心の中で有難う~とお礼を言ったものだった

なので今日の富士にもお礼を言った、彼女が幸せそうだったお礼

そして新たに願掛けをした、降り立つ街で依頼者さんが私達を待っているからね

富士は後ろに消えたが綺麗な残像が目に残る

微笑の予感だ


梟 拝


※追伸、、、

結果、残念ながらこの回の工作には苦戦しました

でも次回に繋がるものと信じて帰りには富士山にちゃんとお礼を伝えましたよ、苦笑